設立40年を迎え

2021年6月1日(火曜日)12:00

2020年、龕建築デザイン設立40年を迎えました。

設立以来、街とのかかわり方をテーマに建物を設計してきました。

その足跡の一部を建築ジャーナルの3月号でまとめました。

是非、ご一読ください。

 

 

歩く楽しさのあるまちづくりーその2:第4次狭山市総合計画後期基本計画(素案)に関する意見書

2020年9月9日(水曜日)18:50

第4次(素案)に目を通しても、「狭山市」を外すとどこの自治体案だかわからないため、「歩く」「楽しさ」をキーワードに、「都市基盤整備」をわかりやすく、「緑」の大切さを様々な施策に反映させるよう意見書を提出した。

 

表記された一例を挙げると、

第3章 都市基盤  第2節 安全で快適なまちづくりの推進

住みよいまちづくりの推進(施策27)

主なとりくみ(3)都市景観の形成保全「駅前広場や大規模公園、公共施

設などは景観に配慮し、良好な都市景観を形成します」

「市民と行政が協働して、地域景観に配慮した屋外広告物

の設置などを適正に誘導します」

 

(4)良質な宅地開発、建築の誘導(地域の特性に応じた環

境、景観の形成に向けて市民の理解と協働のもとに、地

区計画や建築協定などの活用により、良好な環境の整備

や保全を促進します)

 

と謳われているが、「街」が「壊れ始めて」久しい。

 

「基本計画(素案)」だから具体的な対応は、実施計画や各担当部署に委ねても良いように思えるが、「市のまちづくり」の基本計画だからこそ、市民にわかりやすく、共有しやすい「テーマ」を掲げるべきではないでしょうか。

 

狭山市の地形の特徴の一つに、入間川両岸の河岸段丘があります。図書館の駐車場からの高低差を活かした眺望は必見です。

 

狭山市駅から徒歩10分の距離で、入間川に架かる橋からは富士山を望めます。

 

入間市から川越市まで続くサイクリングロードや桜並木など河川敷の整備も進み、かつての「つつじ祭り」に代わり、カタクリの花や最近ではユリの花を楽しむ人々も多いようです。

 

「歩く」、「楽しさ」を体験し、「歩くことから感じ取れる」良さや問題点は、領域を超えて「まちづくりの視点」に反映できます。

 

(提案)「歩く楽しさのある、まちづくり」をテーマにした「もう一つの視点」

具体例として下記に列記します。

 

1. 安全性:「歩く」はスピードを緩め、車優先から「人」に視点を当てる

2. 視認性:廻りの状況、変化を感じ取れる

3. 乳幼児から老若男女、健常者、障害者を問わず、共有できる

  (教育の場や心身のバリアフリー化、家庭から社会へのテーマにも活かす)

4. 景観への配慮:境界線上のデザインの大切さ

5. コミュニケーションの活性化:あいさつ、会話が生まれる「場」づくり

6. 市民の財産として:居住の魅力

7. 専門的な知識、情報が不要:各自の視点で考える

8. 商業(農業)の活性化:大型店(大規模流通)とは異なる個性・魅力の創出

9. これらを実現するための組織横断的な行政システムの構築

歩く楽しさのある街づくり:その1

2020年8月8日(土曜日)12:44

「デッキが繋がってるんだ!」、「デザインがいいね!」、「こ洒落てるね!」。道行く人の感想が耳に飛び込み、口元がほころぶ。

 

2004年埼玉県景観賞「心に潤い特別賞」を受賞して16年、新型コロナウイルス禍の中、自宅待機や在宅勤務、テレワークの影響か、車を降りて散歩するカップルや家族連れが増えたせいか、「街と一つ一つの建物の在り方」を提案し続けた反応が重たい空気を吹き飛ばしてくれる。

 

長かった梅雨が明けて暑さが厳しい今日この頃、天候に恵まれた春先からトサミズキ、ミモザ、モッコウバラと表情は異なるが、黄色の花が零れ落ちるように建物やデッキ、道行く人々を覆う。

 

 

隣地に植えさせてもらっている枝垂桜も、今年は季節外れの雨と雪で、満開が短かった気がするが、毎年満開の時は道行く人々が立ち止まり、記念写真に納める。

 

 

冬の寒さに耐え、陽光を浴び、蕾から手を広げて伸びようとする真新しい黄緑色の小さな可憐な葉が、夏を迎えて色濃く堂々とした姿に変貌し、緑陰を作り、バス待つ人や道行く人の包み込み「一休み処」にもなる。

 

「歩く楽しさのある街並み」は、人と建物と緑の関係からも生まれる。

 

暮らし方彩々(いろいろ)―増改築―

2019年12月26日(木曜日)14:32

小さくてもいい!大きな暮らしをしよう!

Ik邸増改築計画Part-Ⅱ

 

既存の出窓を破り

既存出窓

既存出窓から増築部へ繋がった瞬間

 

 

 

繋げた驚きの“超極細空間”。

配置図

 

 

両手を広げれば届く幅1.5m

長さ11mの空間を貫く“刀刃”型の8mのカウンター。

その先端には、空に抜け

弧を描く床の間と三角形の広縁をもつ“和”が控える。

 


手の届く木々たちに囲まれ

光の移ろう表情の豊かさは

家族が集うリビングゾーンに隣接しながら

緑陰に佇む“離れ”の静けさを醸す。

150年の時を引き継ぐ

2019年11月12日(火曜日)16:12

  既存外観

既存内観

 

 

計画から一年をかけてフルリノベーションが完成   

施工:飛鳥建築

 

南の

大きなデッキと

 

北の

坪庭デッキが

 

 

南北を繋ぎ

 

 

樹齢200年の

けやきの一枚板カウンターを中心に

 

築150年の

家の骨組を活かして

 

 

新たな時を紡ぎ始めました

 

 

 

 

 

 

 

 

暮らし方彩々(いろいろ)

2019年8月21日(水曜日)18:02

施工:(株)飛鳥建築

既存母屋(左建物)の隣の土地に

車庫を取り込んだ子世代の

寝室・便所・洗面コーナー・給湯コーナーを新設(右建物)。

台所やお風呂は母屋を共有し

家族間のコミュニケーションを楽しく彩る。

 

増築でも離れにすると

別荘のような心地良い空間に…。

一見不便そうな部屋の行き来は

四季を感じ、風を感じ、時を感じて

暮らしを彩る。

 

庭は

3台まで駐車可能

車が出払っても

屋根のラインと緑化した駐車場の一体感が

癒しとスタイルを彩る。

建物の角度を振ると

道路との距離が取れ庭となる懐が出来る。

また飛び出た南西の角は

冬の午後の日差しを取り込める。

出来上がった南西の角、日当たり良好!

ここから眺める母屋の既存の庭は

東西にのびやかな見晴らしとなった。

玄関の下足入れは

パーテンションと洗面コーナー棚となる。

建坪を抑え、開放的で使い勝手が良くなる工夫の一つ

帰宅後すぐに使える動線が建て主から高評価。

 

「森の図書館」構想

2018年6月20日(水曜日)18:51

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   敷地内を流れる川の対岸の杉山の一部を切り開き、穴から「のぞく」森の図書館を置く。

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   自然を切り取り、光、風、音、時間、空気、天と地、雲、木々、虫、四季、眺望、内と外、

   解放と閉鎖、表と裏、静と動を体感する。

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 「穴あきアート」畑晩菁氏とのコラボレーションによる森の中の無数の穴に囲われた

    「小宇宙」からのぞく時、君は何を感じるだろう・・・。

 

コンパクトライフ「小さくてもいい!大きな暮らしをしよう!」 ー規格外の楽しさ・豊かさ・カッコ良さ!ー

2018年3月23日(金曜日)17:01


「夢想庵」86歳翁の7坪の離れ

30年以上前にこれからの老後のあり方を提案した。

玄関、広縁、床の間・押入付6畳の和室、洗面、便所、浴室が「7坪の離れ」に納まる。

道路を挟んだ母屋で家族と食事をする以外、寝起きは一人。

朝のカラオケに始まり、昼のお茶飲みと語らい、琴づくりや竹細工で時と空間を楽しむ。

104歳で亡くなるまでの素晴らしき生涯。

模型
和室
内 広縁  中 広縁のコピー

 

「K邸」9坪2階建ての大空間

母屋の庭先、「犬小屋しか建たないね!」と言われた小さな土地に実現した豊かな住空間。

小さいけれど緊張感を醸す玄関、狭いけれど高機能の台所、日当り良好・開放的な居間、オープンなプライバシーを保つ2階の寝室、吹抜けに浮かぶ洗面、扉のないトイレまで、薪ストーブの廻りに顔を出すコンパクトライフ。

ユニークな脚の手づくりテーブルや空間に浮かぶ軽やかな棚、腰掛兼用の飾り棚・収納付階段は、床の段差を活かした立体的な空間を彩る。

HPk邸外観玄関 居間 家具

モダンな和の暮らし

2017年12月26日(火曜日)17:55

平屋風の暮らしの二階建て住宅が完成しました。

1階に居間食堂台所、寝室、浴室等水廻りがあるので、平屋のように生活が出来ます。

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2階部分は和室の客間と書斎のみで、

居間の吹抜けとつながっています。

長く住み続けた想い出の大黒柱を新たな居間の中央に。

 

リフォームをするのが良いか、新築にしたほうが良いか迷ったことを思い出します。

 

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求められているものとは

2017年8月9日(水曜日)14:22

「緑と建物の雰囲気が素晴らしいですね!」

「デッキに出てもいいですか?」

「写真を撮ってもいいですか?」

「こんな雰囲気のところでおいしい食事が出来るなんて贅沢~」

 

25年前に建てた木造一部コンクリートブロック造2階建て

外壁板張りのロ―コストな建物は

「街に開いて建つ」をコンセプトに

建物と街のコミュニケ―ションの在り方をテーマに

設計事務所としてスタートした。

その後、レストラン、リビングと変貌し、この4月から再びレストランとして

再スタート、人々の反応が冒頭の言葉である。

 

訪れる客の反応に

2004年に受賞した景観賞『心に潤い特別賞』

の重みを再認識させられた。

 

先日も心ある施工業者や職人との会話のなかで半ば投げやり的に

「そんな手間暇かけても評価されない。」

「良くしたくても予算が決まっているから・・・。」

「結果がすべてだから・・・。」

と口に出た。その言葉の裏にあるのは

結果を導きだす課程の大切さや数字で量ることができないものの価値を

もっと考えるべき警鐘のように響く。

 

省エネ、規格化、工期短縮、コスト等全てが数字(価格)で判断される

結果主義で生まれるものが以前にもまして求められているが、

レストランへ訪れる人々の反応を大切にしたいと思う今日この頃である。