「緑と建物の雰囲気が素晴らしいですね!」
「デッキに出てもいいですか?」
「写真を撮ってもいいですか?」
「こんな雰囲気のところでおいしい食事が出来るなんて贅沢~」
25年前に建てた木造一部コンクリートブロック造2階建て
外壁板張りのロ―コストな建物は
「街に開いて建つ」をコンセプトに
建物と街のコミュニケ―ションの在り方をテーマに
設計事務所としてスタートした。
その後、レストラン、リビングと変貌し、この4月から再びレストランとして
再スタート、人々の反応が冒頭の言葉である。
訪れる客の反応に
2004年に受賞した景観賞『心に潤い特別賞』
の重みを再認識させられた。
先日も心ある施工業者や職人との会話のなかで半ば投げやり的に
「そんな手間暇かけても評価されない。」
「良くしたくても予算が決まっているから・・・。」
「結果がすべてだから・・・。」
と口に出た。その言葉の裏にあるのは
結果を導きだす課程の大切さや数字で量ることができないものの価値を
もっと考えるべき警鐘のように響く。
省エネ、規格化、工期短縮、コスト等全てが数字(価格)で判断される
結果主義で生まれるものが以前にもまして求められているが、
レストランへ訪れる人々の反応を大切にしたいと思う今日この頃である。